受験のきっかけ
国際物流会社の営業マンである私が、この試験を受験するきっけはこの様なやりとりでした。新人の頃は知識がなくよく苦労しました。
時間がない出荷に限ってこのようなやり取りがありました。正直、焦りました。
どのよう説明すれば顧客に納得してもらえるのか。悩んだ結果、この試験を通じて知識をつけることにしました。
この試験を受けるべき理由
基本的に木材と食品以外は、該非判定をする必要があります。輸出貿易担当や海外営業担当こそ、この試験を受けて損はないと思います。
なぜその安全保障輸出管理の知識が必要かというと
- 該非判定の責任主体は、輸出者であること
- 罰則が非常に重い
からです。
①該非判定の責任主体は、基本輸出者であること
該非判定の責任は基本輸出者にあります。メーカーから該非判定をもらった、通関業者に何も言われなかったとしても、輸出者の責任は逃れることができません。
経済産業省のQ&Aにも輸出者責任について言及しています。
②罰則が非常に重い
外国為替及び外国貿易法の違反は、経済法の中では罰が重いということで知られています。
上記は「無許可の貨物輸出、技術取引、仲介取引」の罰則です。当然、知らなかったでは済まされず罰則も重いため企業活動に大きなダメージを与える可能性があります。
前置きが長くなりましたが、今から試験概要の紹介です。
試験概要
試験スケジュール・試験実施場所
試験頻度は、年3回
7月 東京・名古屋・大阪
10月 東京・名古屋・大阪
1月 東京・名古屋・大阪・福岡
受験料
5,300円(税込)
合格率
過去約6年分の合格点・合格率のデーターです。
合格率:60%〜80% 合格点:おおむね20点/25点中でないでしょうか。
勉強方法
私が取り組んだ勉強方法は
- テキストを購入。精読2回とテキスト付属の問題3巡
- 過去問を必ず解く
テキストを購入して、精読2回とテキスト付属の問題を3巡。
安全保障輸出管理実務能力認定<STC Associate>テキスト・問題集 第2版 新品価格 |
発行元:一般財団法人安全保障貿易情報センター
発行年月日2019年12月
販売価格賛助会員 2,200円(消費税込)
一般 /大学会員 4,400円(消費税込)
個人受験のため賛助価格で買えないのがデメリットですね。もし会社が、一般社団法人安全保障貿易情報センターの賛助会員であれば会社経由で購入されてはいかがでしょうか。
過去問を解く
この過去問を解くことが重要です。なぜなら、問題の出題内容が過去問とほぼ同じ内容の問題が多いからです。
私は4回分の過去問を2巡しました。今思えば、不安な方は過去問10回分を解くことをお勧めします。
過去問(安全保障貿易情報センター(CISTEC)HPより)
CISTEC(安全保障貿易センター)HPにあるWebセミナーもおすすめです。
体験談・感想
この試験は確かに合格率は高い試験ですが、得点率(80%)が高くミスができないのが大きなハードルだと思います。私は初回の受験時、テキストとその問題集を1回解いてなかったため一度この試験を落ちています。合格率が高かったため簡単な試験だろう思い込み、失敗してしまいました。
過去問は重要なので絶対に解いてください。
なぜか平日の試験ため会社を休めない方は、難しいかもしれません。
あくまもで輸出貿易管理の基礎知識をつける試験なので、輸出者や物流会社の営業・貿易実務・通関の方はadvancedの勉強をすることをオススメします。
合格して役にたったこと
物流営業という立場からですが、この試験に合格してよかったことは
「顧客へ該非判定書について簡単な説明ができるようになったこと。」
根拠をもって説明すると納得いただけることが多くなったことです。
また、将来的に自分で該非判定をできるようになりたいと思い「STC Advanced」も受験しました。
こんな物流会社(通関業者)は要注意
これは実際に私が顧客から伺った話です。
不慣れな輸出者は輸出通関を通関業者に任せているという意識から、このように通関業者のいうことを素直に聞く方もいらっしゃいます。
この問題は
- 通関業者は、責任を取らない。
- 外為法上、輸出貿易管理の責任主体は輸出者であること。
と私は考えます。
あくまでも法律上、該非判定の責任主体は輸出者なんです。
例え通関業者が非該当証明を要求したとしても、輸出者には確認する義務があるため責任は回避できません。
では、なぜこのような問題が起こるのでしょうか。
理由は、「通関業者は基本的に他法令(関税法等以外)の専門家ではない。」とうことです。
ここからは物流会社によると思いますが、多くの会社が通関士と顧客が直接やり取りすることはなく、中間にカスタマーサービス・営業が入ります。
通関士は多少輸出貿易管理に知識はあっても、このカスタマーサービスと営業はこの知識が浅いことが多いです。
また、通関業法そのものに通関業者の他法令の審査義務はございません。他法令の該非の確認をすることになっていますが、その確認は顧客からの通知をもって確認します。(あまりに怪しい場合は追加の確認をしますが。)