今回は、IATA認定危険物セミナーのJACISリカレントコース(標準)を受講しましたのでその体験を書きます。IATAディプロマ(危険物)に興味がある方、会社からの指示でIATA認定セミナーを受講される方の参考になれば幸いです。きっと初めて受講される方にも参考になる内容です。
IATAとJACISの違い
IATA(国際航空運送協会)から危険物教育訓練校の認定を受け、IATA認定航空危険物セミナーを実施しています。よって、そのセミナーに参加し試験に合格された方には、航空危険物取扱国家資格(IATA/DIPLOMA M2またはMR)が授与され、IATAへ資格取得者として登録されます。
コースの内容
今回私が受講したコースは、資格更新ためのリカレントコースです。これもIATAの教育訓練プログラムの一貫で、大きく2つのコースに分かれます。ちなみに放射性物質を含む場合は受講日数が1日追加されます。
- イニシャルコース:初めて受講される方、資格の有効期限が失効された方
- リカレントコース:資格者で24ヶ月以内で資格延長される方
セミナーの内容
今回私が受講したのは、イニシャルコース(標準)です。セミナーの内容も下記のように決まっています。
イニシャルコースとリカレントコースの内容の違いは、1コマのみです。
- イニシャルコース:「航空危険物規則書の内容について」
- リカレントコース:「過去2年間の規則書の変更点について」
ただし、受講日数は、イニシャルコース3日間とリカレントコース2日間です。リカレントコースは知識がある前提で話が進むので、受講者の理解度によりますが、私の場合は講義に付いて行くのが必死で、時間がなかったです。
リカレントコースの特徴
リカレントコースの特徴は、イニシャルコースに比べ1日講義日数が少ないため、講義のスピードが早いのが特徴です。(内容が濃い割りに時間が少ないので、講師の方はもっと大変だと思います。)
リカレントコースも2年越しなので結構忘れています。イニシャルコースよりも、講義のスピードが早く、講義終了後の自習も1日しかないため、私はハードに感じました。
合格するための受講姿勢(イニシャルコースも含む)
このセミナーは、最後の修了試験があり80割以上得点しないと合格できません。ただし、約1250ページの本の内容を暗記するのは当然無理な話のため、修了試験当日はこの航空危険危険物規則書等の持ち込みが可能です。
合格するための受講姿勢として、講師が言う
- 重要なところをすぐに検索できるようにチェックすること
- その重要なところを理解すること
2点が重要です。
①重要なところをすぐに検索できるようにチェックすること
⇨問題で問われている内容を航空危険物規則書で探す。
⇨目的は時間短縮であり、検索に時間を掛けない。
②その重要なところを理解すること
⇨問題の答えと自分の理解をベースに航空危険物規則書で書かれている内容があっているかを照合する。
⇨この照合に時間がかかる
- 検索スピードを速くして時間を稼ぐ
- 自分の解答と航空危険物規則書に書かれていることにズレがないか確認すること
セミナーを受ける際のテクニック
まずは、検索スピードを上げるために受講者皆さん付箋を持参します。私の失敗はこの付箋選びに失敗したため、参考にしていただければ幸いです。
これは、後ほど紹介する試験問題の構成を見ていただくと分かりますが、小問題を解答する際に役に立ちます。
この写真は、実際に私が使用した航空危険品規則書です。皆さん、付箋を使ってマークするのですが、私はこの付箋チョイスを間違えてしまい、検索に結構時間が掛かってしまいました。
<悪い例>
私の悪い例を見ていただくとわかると思いますが、付箋は幅が小さめ(幅1.0cm程度)の付箋がいいです。理由は、付箋の枚数が多くなり、太い付箋(幅2.5cm)だとかさばります。太い付箋だと付箋自体が重なり、検索に時間が掛かります。(本のページ数は、約1,250ページ 本の厚さは辞書程度です。)
ポイントは
- 小さめの付箋(1cm程度)を使用する
- 色で区分をつけるなど自分なりのルールを作る(例:各章で色分けなど)
- ページを開いて重要なところが目につくように色ペン、付箋を活用する
これで検索スピードは上がると思いますので、受講者は是非参考にしてください。
試験問題の構成
合格点:100点満点で80点以上(放射性物質を含むコースは、140点満点で112点以上)
試験時間:3時間(180分)
その他:修了試験は、航空危険物規則書、及びIATA危険物教本が持ち込み可能です。
- 用語の説明(2点)
- 分類、区分、包装等級、分類基準、記号(2点)
- 副次性(2点)
- 正式輸送品目名(3点)
- 例外規定(2点)
- Q値の計算(3点)
- 微量危険物→ドライアイス、試験方法(3点)
- 少量危険物(2点)
- 運行者の受託(4点)
- 隠れた危険物(2点)
小問の対策は
解答に時間を掛けず、確実に点数を取りにいくこと
ことです。問題で問われている箇所を航空危険物規則書ですぐに検索できるようにしてください。
講師は必ず重要なところを説明しますので、漏らさずチェックして付箋を貼りましょう。当然ながら、講師の説明を理解すれば解答スピードも上がります。合格点が80点なので、ここま満点を狙いましょう。
- 一般的な危険品(32点)・AWBの記載方法・危険物申告書の記載方法・ケースマーク
- 少量危険物(23点)・AWBの記載方法・危険物申告書の記載方法・ケースマーク
- オーバーパック(20点)・危険物申告書の記載方法・ケースマーク
解答に時間が掛かるのは、もちろん大問です。
解答に時間が掛かるのは、もちろん大問です。
小問で満点を取り、大問で部分点を取りに行くのがポイントです。
そして、この問題は航空危険物規則書を開けば必ず解けるという問題はございません。熟読すれば問題が解けるかもしれませんが、到底時間が足りません。講義で演習問題がありますので、自分で問題が解けるように必ず復習してください。
注意点
試験問題は持ち帰りができませんので、内容や配点など当時の受験内容を記憶と記録の範囲で記載しております。もちろん、試験内容も変更の可能性がございます。あくまでも、参考としてどのような内容が出るかを把握して頂き、講義のどの部分を注意して聞けばいいのかにお役に立てれば幸いです。
Q&A
理由は、
1:商法上、荷送人は運送人に対して危険物の通知義務があること。
2:荷送人が危険物申告書を確認することになており、その責任が生じるため。