航空輸送では、皆さんご存知の「旅客機」をイメージされるのではないでしょうか。現在、コロナウィルスで旅客便が運行停止が増えている中、この貨物専用機が航空輸送の中心を担っています。
そんな「貨物専用機」ですが、私は国際物流業者に転職してその存在を初めて知りました。
旅客便では受託不可の危険物や高さ制限の受けた貨物をこの「貨物専用機」で輸送できる可能性があります。
では、さっそく「貨物専用機」のお話です。
- 貨物専用機の概要
- 貨物専用機しか利用できないケース
- メリット・デメリット(筆者の経験上から)
貨物専用機とは
貨物専用機とは、貨物専用の輸送を行う航空機のことです。
もちろん、旅客室はなく(もちろん乗務員室や荷主室あるようです。)機内はこのようになっています。
通常の旅客便は、上半分が旅客室、下半分が貨物室になっております。しかし、この貨物専用機は全て貨物室になっているのが特徴です。
貨物専用機しか利用できなケース
航空便で貨物を運ぶ際、「旅客便」や「貨物便」を利用します。この選択は、物流会社に任せている顧客がおおいのではないでしょうか。
しかし、特定の条件に当てはまる場合は貨物専用機しか利用できません。私の経験から主に貨物機でしか搭載できないケースを2つ紹介します。
危険物の航空輸送
危険品の種類によっては、貨物便限定になることがあります。危険度が高いもの、容量が多いものは「貨物便」になる可能性が高いです。
梱包の方法によっては、「旅客便」に搭載できる場合があます。搭載基準のルールは、IATA危険物規則書に記載されています。まずは、物流会社に輸送する危険物が搭載可能かどうか確認してもらいましょう。
危険物どうか分からない場合
貿易が不慣れ方にとって、まずは自分が送る貨物が危険品かどうか分からない方がいらっしゃると思います。今回は、危険品かどうかを判別する簡易的な方法をご紹介します。
- 輸出する商品のSDS(安全データーシート)を用意する※メーカーから入手しましょう。
- 「14.輸送上の注意」を確認する。
SDS(安全データシートの)の「14.輸送上の注意」の例を記載しています。これは、「メチルエチルケトン」という物質です。
14.輸送上の注意
該当の有無は製品によっても異なる場合がある。法規に則った試験の情報と、分類実施中の12項の環境影 響情報とに、基づく修正の必要がある。
国際規制
厚生労働省 職場のあんぜんサイト より
国連番号 1193
国連品名 ETHYL METHYL KETONE国連危険有害性クラス 3
副次危険 ー
容器等級 Ⅱ
このように「14.輸送上の注意」に記載がありましたら、航空輸送上危険物に該当しますので、輸送可能かどうかを含め、輸送条件(容量、梱包要件)などを物流会社に確認しましょう。
背高貨物
高さ160cm以上の貨物は、「旅客便」に搭載できず、「貨物便」限定になります。どうしても貨物限定便になると、料金が上がる傾向になるため物流会社へ見積もりを依頼することおをお勧めします。
メリット・デメリット
貨物便のメリット・デメリットをあげてみました。(私の経験上で話です。)
メリット
- 「危険品」や「背高貨物」を運ぶことができる。
- 主にアジアは深夜発→翌朝着便なので短納期で輸送できる。
デメリット
- 「貨物便」限定条件がつくと、航空運賃が上がる可能性が高い。
- 基本大都市空港がメインなので、ローカル空港は貨物便は就航していない。(ただし、BL上の責任範囲で大都市空港から地方空港までトラックで運ぶこともある。)
- 向け地によっては、便数に限りがある。(dailyではない。)