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今回は、初めて輸出される方または輸出の経験が浅い方向けの記事です。物流営業マンである私は輸出初心者の手配をサポートすることがありますが、基本的なポイントを抑えてないがゆえに輸出通関に時間がかかってしまい予定便に貨物を搭載できなかった経験があります。

今回の記事は、よりスムーズに輸出通関をするために通関依頼前に必要な書類と情報をまとめています。

この記事でわかること

輸出通関を依頼する前の必要な書類と情報がわかるようになる。

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インコタームズ

通関業者へ依頼する前に、インコタームズの確認が重要です。通関業者に依頼する時点で既にインコタームズは決まっていると思いますので、通関業者にそのインコタームズを伝えましょう。

インコタームズがあまり分からない方向けに簡単に説明します。

インコタームズ(Incoterms)とは

国際商業会議所(ICC)が制定した貿易条件とその解釈に関する国際規則であり、International Commercial Termsの略であり貿易条件のことです。

ここまでは教科書的な話で難しく感じる方もいると思います。ポイントはそれぞれのインコタームズの輸送上の

  • 費用の範囲 → どこまで輸出者が輸送費を負担するのか。
  • 危険の移転時期 → 貨物にダメージ時発生した時輸出者または輸入者どちらが責任をとるか。

を理解することです。全部で11種類ありますので、まずは、今回のインコターズの費用の範囲と危険の移転時期を理解しましょう。

今回、それぞれのインコタームズの説明は割愛します。「インコタームズ」と検索すると多くのサイトがありますので詳細を知りたい方は検索してください。参考:日本貿易振興機構(ジェトロ)インコタームズ2020 

実際には

輸出者
輸出通関をお願いしたいんですど。
まんじゅう
ありがとうございます。まずは、インコタームズ(貿易条件)を教えてください。
輸出者
FOB東京です。
まんじゅう
では、通関書類を送付してください。

このように話が進んでいきますので心配ありません。ただ、このインコタームズの費用の範囲を理解していないと物流業者とトラブルになる可能性がありますので、少なくとも費用の範囲は理解しましょう。

準備する書類(通関編)

基本的に下記の4点を確認、準備すれば通関は進んでいきます。

  1. インボイス
  2. パッキングリスト
  3. 該非判定書
  4. 他法令関係(必要時)

各必要書類に関しては、今後ブログに掲載していく予定です。S/I(シッピングインストラクション)が必要という方もいますが、少なくとも私の経験上、基本的な輸出ではS/I(シッピングインストラクション)なくても手配できますし、実際に手配しています。(ただし、各物流各社による)

インボイスとは

インボイス(Invoice)とは、仕入書とも呼ばれ輸出者(荷送人)から輸入者(荷受人)に対して貨物の発送を通知するための書類です。

インボイスには、貨物の品名、種類、数量、価格、支払い方法、仕出地、仕向地、輸入者(荷受人)や納入先の会社名、住所、連絡先などが記載されております。

パッキングリストとは

パッキングリスト(Packing list)は、輸出貨物の個数、形状、荷姿などが記載された書類です。

該非判定書

外国為替及び外国貿易法(外為法)に関するもので、その外為法48条には

外為法48条(輸出の許可)

国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。(抜粋)

とあります。輸出者は、輸出する貨物が国際的な平和及び安全を脅かすような武器、兵器関連や軍事関係に使用されないか確認する必要があります。まずは、輸出する貨物が軍事転用が懸念されるものではないか「リスト規制」に基づき確認する必要があります。

基本的に食品と木材等以外は、該非判定をして通関業者に通知しましょう。

他法令

先ほど説明した該非判定書に関係する外為法は、他法令の一部です。「他法令」とは、関税関係以外の法令で、輸出または輸入に関して許可承認等を定めたものです。

輸出他法令の一覧(税関カスタムアンサーより)

通関業者は他法令に関してはプロではないですが、気の利いた通関業者は輸出する貨物が他法令に関係するかどうか教えてれます。分からない場合は、事前に通関業者へ問い合わせてみましょう。

通関委任状

通関業者へ初めて通関を依頼する際に委任状の提出を依頼されます。これは、通関業法上の理由なので多少お手間を掛けますが、仕方がないと割り切ってください。委任状のフォームは通関業者が用意してくれます。

通関に必要な情報

通関に必要な書類を通関業者に提出すると、通関手続きが進んでいきます。通関士は、輸出する商品のHSコード(税番)を確定して税関に申告をします。通関士は輸出するその商品に関しては詳しくないので、商品によっは、HSコードを確定するために詳細な情報を確認する場合がございます。

そのHSコード(税番)を確定するために、その商品についていろいろと質問があります。航空・海上輸送とも便が確定しているので、輸出通関は時間との勝負です。質問を回答する手間を減らすために、事前に商品説明を準備することをお勧めします。

商品説明(一般的な商品)
  • 写真やカタログ
  • 商品の使用用途
  • 商品を構成する素材(まずは、メイン素材で可能)
食品の場合
  • 成分表
  • 製造工程表
化学品の場合
  • SDS(安全データシート)

などを事前に通関業者へ送付しておくと、通関士からの質問が少なくなります。

今後のために必要なもの

輸出通関が無事に終了すると、ひと安心したいところですが今後の輸出ために次のことを行いましょう。

帳簿書類の保存(義務)

輸出者の中には、輸出書類の保管義務をそもそも知らない方もいらっしゃいます。恥ずかしながら物流会社の営業・カスタマーサービスの中にもこれを意識していない担当も多く、輸出許可証の未送付があったります。

輸出者は必ず輸出許可証を受領(電子データも可)して、保存するようにしましょう。

輸出に関する帳簿書類の保村期間は

5年(輸出許可の日の翌日から起算)

です。また、稀にみるトラブル事例を紹介します。

輸出者
今度税関の事後調査があるので、今までの輸出通関関係書類の送付をできますか。
まんじゅう
弊社の書類の保管期間は6ヶ月(会社で異なる)です。申し訳ございません。

通関業者も一定期間は、通関関係書類を保管しますが多いところは日に数百件も通関をするため長期間保管できません。帳簿書類の保管義務は、輸出者にありますのでまずは輸出者自身で保管しましょう。

参考:帳簿書類の保存と事後調査等

今後の輸出に備えて

これに関しては、物流営業マンあまり教えてくない個人的な意見です。

今後の輸出通関の手間を減らすために、下記の情報をまとめることをお勧めします。

  • 商品説明、仕様、写真、実績(輸出許可証)、税番

理由は

  1. 商品説明の手間が省ける
  2. 通関業者を選びやすくなる

2つの理由があります。

商品説明の手間が省ける

通関業者によっては、顧客ごとの商品データ(商品説明、仕様、写真、実績、税番)を管理していないことが多く、担当通関士も固定でないことが多いです。そのため、同じ商品の輸出でも質問が多いことがあります。輸出者側で商品説明を準備することで、この商品説明の手間を省くことができます。

通関業者を選びやすくなる

通関は、どうしても手間がかかる業務なのでどの顧客も通関をお願いするコアな通関業者が決まっています。そして、将来的にその通関業者の対応が悪くなった場合なかなか通関業者を変更することが難しいことが多いです。自社で商品説明を準備することで、通関業者変更が容易になり、また通関の手間を減らすことは通関料金の交渉の手段になり得るということです。

まとめ

輸出通関をスムーズにするには

  1. 事前にインボイス、パッキングリスト、該非判定書、他法令関係を用意する
  2. 事前に商品説明を準備する

この点を注意していただければ、予定便に搭載できなかったなどのトラブルなく、スムーズに通関ができるようになります。

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