海外貿易をする上で知っておきたいHSコード。知れば知るほど貿易を有利に進められます。
有利になる理由は、ズバリ「関税」の削減です。
今回はそのHSコードについての説明です。
- HSコードの概略(10秒講義)
- HSコードの具体的な説明
- HSコードの確認方法
- HSコードによる体験談によるトラブル事例
ではさっそく、「HSコード」を10秒で解説します。
HSコードとは <10秒解説>
ざっくり言うと「HSコード」は、
あらゆる商品(貨物)に割り振られた「世界共通の番号(コード)」です。
そして、輸出入通関の時に商品(貨物)の番号(コード)を特定する必要があります。
輸出時の目的 主に「統計」のため
輸入時の目的 主に「関税」の計算のため ※「統計」にも使用します。
しかし、世界共通の番号(HSコード)は半分正解で半分間違い
以上、10秒説明でした。詳細は、「HSコードの詳しい説明」をご覧ください。
HSコードの詳しい説明
HSコードとは<詳しい説明>
HSコードは、国際条約で決めらています。
日本語 | 「商品の名称及び分類についての統一システムに関する条約」 |
英 語 | 「Harmonized Commodity Description and Coding System」 |
この条約は1988年1月から発行しており、世界157カ国・地域HS適用国(含HS条約締結国)等211カ国・地域が加盟しています。(平成31年3月現在、税関HPより)
日本では「輸出入統計品目番号」、「関税番号」、「税番」などと呼ばれます。
HSコードは、あらゆる貿易対象品目を21の「部」(Section)に大分類し、6桁の数字で表します。
<税関HP抜粋>
- 上2桁 → 類(Chapter) 97類まで
- 類を含む上4桁 → 項(Headling)
- 項を含む上6桁 → 号(Sub-headig)
世界共通の番号(HSコード)は、半分正解で半分間違い。その理由は
この6桁までが、世界共通です。
6桁以降は、各国によって細分化されているということです。
ここからは実務で重要なポイント
- 相手国の輸入関税率を調べる時は、細分化されたコードまで判別することが必要。
- EPA(経済連携協定)関税率を適用するための原産国確認として、この6桁までのHSコードを利用する。
特に貿易担当は、このEPA関税率や原産国基準の確認が行うことが重要になってきます。
HSコードの確認方法
HSコードの内容が分かったところで、次はHSコードの確認方法です。4つのパターンで説明します。
- 自分で調べる
- 通関業へ依頼する
- 税関への事前教示
- その他(ココナラ)
自分で調べる
最初は面倒ですが、結果的にこれが一番の近道です。少し貿易に慣れてきたら是非トライすることをお勧めします。(多品目を取り扱う輸出入業者なら難しいかしれません。)
品目が少ないなら是非、自分で調べてみましょう。
輸出:輸出統計品目表
輸入:輸入統計品目表(実行関税率表)
商品のHSコードを知ることでEPA(経済連携協定)の活用もできるようになります。
通関業者で依頼する
一般的には、この方法を利用する方が多いのではないでしょうか。日毎の輸出入手配があれば、担当の営業によっては無料で確認してくれるところもあります。(ただし、限度がありますが・・・・)
通関業者とお付き合いがない!手配の依頼頻度少ない!などは、もしかすると費用を要求されるかも知れません。
良い営業担当とめぐりあえれば、通関に関する応用技を教えてもらえる筈です。通関士に間に入って本音の部分も聞いてくれるでしょう。
事前教示
HSコードを税関に確認することもできます。手段は、電話、メール、書面です。もちろん費用は無料です。
(書面の場合は送料等必要ですが)ただし、税関に確認するときは説明に足りうる十分な資料を用意しましょう。
電話やメールでの確認したHSコードの回答は、必ずしも輸出入通関時に有効ではございませんのご注意ください。
また、税関のHPで事前教示の回答例を検索することもできます。こちらもオススメです。
例外(ココナラ)
最近、スキルマーケットサイトの「ココナラ」でHSコード(税番)を確認する方もいらっしゃいます。
おすすめの方法としては、
・通関業者や税関に聞きにくい質問
・日毎通関業者と取引ないけれども、通関について色々と聞きたい場合
などです。
もちろん、物流会社の営業マンもサラリーマンなのでコンプライアンスに触れる又は触れそうな場合、その事実を知ってしまうと厳格に対応しなければなりません。
なので、有料にはなりますがこのようなスキルマーケットサイトの「ココナラ」で通関士の方から意見ももらうのもいいと思います。
トラブル事例(体験談による)
輸入通関でよくあるトラブル事例
実は、この質問にも意味があります。
原則としては、誰が判断してもHSコードは同じものになります。しかし実際は、通関士によってHSコードが変わってしまうことがあるのです。
弁護士によって、法律の捉え方が異なるイメージですね。
そして、特に注意すべきは・・・・「今までと異なる通関業者での輸入通関」です。
新しい通関業者が通関をする際、輸入通関の実績がない場合は今まで異なるHSコードで輸入通関する可能性があります。
特に高い関税率を適用してしまった時は、「後の祭り」
もちろん「更生の請求」はできます。しかし、税関へ説明書類等余計な手間と時間がが掛かります。
あくまでも個人的な意見ですが、気軽に「更生の請求」に応じる通関業者も少ないのではないでしょうか。
特に「事前教示を受けた商品」・「過去HSコードの解釈で揉めた商品」なのどは、事前に通関業者へ詳しい商品説明や事前教示の書類を渡すことでトラブルが回避できます。
また、「HSコードの解釈で揉めた商品」は、どのようにそのHSコードになったのか理由を付けるとスムーズに通関ができると思います。
これは私の感覚ですが、事前に「HSコードの指定はありますか。」と聞く通関業者も少ないと思います。